今の子供たちはどうなのか知らないが、私の世代では、子供が学校で初めて習う楽器はハーモニカだった。ハーモニカという楽器は、構造がシンプルなので幼い子供でも扱いやすい。しかし、シンプルがゆえに奥が深い楽器でもある。
その昔、ハーモニカひとつで世界を席巻した男がいた。男の名はラリー・アドラー。私は彼の演奏を聞くたびに、ハーモニカの奥深さを感じるのである。百聞は一見にしかず。YouTubeに音源があったので、まずは彼の名演を聴いて頂きたい。曲目はジャズのスタンダードナンバー、スターダスト。
この曲はテンポがゆったりとしており、一聴しただけでは、特別なテクニックなど何も使っていないように感じるが、確かな腕に裏打ちされた彼の表現力に、私は圧倒されるのである。
彼は2001年に87歳で亡くなっているが、生前に三回ほど来日している。YouTubeで探すと来日公演の様子の映像なども見つかるので、興味のある方はぜひご覧になって頂きたい。
とにかくハーモニカというシンプル極まりない楽器で、後世に名を残した男の偉業に、心から賛辞を送りたい。
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