虹伝説の頃

音楽

 1980年代前半、当時中学生だった私はギタリストの高中正義さんに憧れた。虹伝説というのは、1981年に彼がリリースしたコンセプトアルバムの名前だ。彼からの影響でエレキギターという楽器に興味を持ったのもちょうどその頃。ただし当時の中学生にとっては、アコースティックギターですら高嶺の花、エレキギターなど到底自分のお小遣いで買える代物ではなかった。当時最も安価だったのが、少年週刊誌の裏表紙に掲載されていた、二光通販という会社が販売するブランド「トムソン」や「トーマス」ブランドのエレキギター。それでもアンプとコミコミで数万円くらいはしたはずで、中学生の私にとっては手の出せる金額ではなかった。せいぜい親戚のおじさんから借りたオンボロアコースティックギターでFコードやGコードを押さえる練習をするのが関の山。

 高校一年生になった1983年、ある程度お金が自由に使えるようになったので、お茶の水のイシバシ楽器や当時水道橋にあったイケベ楽器を巡回し、荒井貿易という会社の「アリアプロII」というブランドから出ていたレスポールモデルのエレキギターを25,000円で購入。そこから私のギター人生が本格的に始まるのである。当時は80年代のハードロックやヘビーメタルが全盛の時代。エディ・ヴァンヘイレン、ランディ・ローズ、マイケルシェンカーといった海外ギタリストたちのコピーからはじまってハードロックやヘビーメタルの沼に浸りきっていたこともあった。日本のバンドではラウドネス、アースシェイカー、44マグナムあたりのコピーバンドが定番。

 その後大人になり、エリック・クラプトンから遡ってBluesにハマったりしながらも、就職・結婚・子育てなどにかまけて音楽活動からしばらく遠ざかっていたが、子育てがひと段落した40代後半ぐらいから再び音楽活動を再会。この歳になってヘビーメタルをやるのは私にとってはキツかったので、アンルイスやレベッカのコピーバンドを経て、今現在、高中正義さんに原点回帰している。一昨年夏には、ついに少年時代から欲しかった1983年モデルのヤマハのSG(上記写真)も購入。

 高中正義さんのギターは、所謂いまどきの超絶テクニックではないが、それでも運指など結構難しく、また卓越した音楽センスがあり、弾いていて気持ちが良い。なので、苦労しながらも楽しんでコピーしている。だたし高中さんのコピーバンドをやろうとすると苦労するのがメンバー集めと楽譜(バンドスコア)の購入だ。前者はメンバーを集めようと思ってもギタリストしか集まらない点、後者は当時モノのバンドスコアは市場に出回らず、ネットオークションでも高額でなかなか手が出しにくい点。  

 仕方がないので、今はYoutubeなどで見つかるギターカラオケ(ギターのパートだけ入っていない音源)を使いながら、耳コピー半分、ギター譜(バンドスコアは高額だがギター専用の楽譜は比較的は安価)半分で演奏を楽しんでいる。

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